放射線診療研究会について

放射線診療研究会は核医学に従事する医師、診療放射線技師、基礎系の研究者、関連する企業の関係者などの集まりで、現在年に6~7回ほど主に新宿で開催されています。通常の研究会ではワークインプログレス2題、技術講演1題、一般演題2~3題の発表があります。出席者は50~70名程度でアットホームな雰囲気のなかで行われるため、気がねなく演者に質問し、議論を深めることができます。7月と12月には特別講演を企画し、会の後に情報交換会(納涼会、忘年会)が行われることが慣例となっています。 本会のもうひとつの特徴に機関誌である「臨床核医学」の発行があります。直近の本研究会や他の学会、論文などで発表された研究のなかから興味深いものを選定し、発表された先生に概要の執筆をお願いしており、注目の話題に触れることができます。またいくつかの連載記事が企画されており、医師や研究者が核医学の基本的な知識を身につける、あるいは知識を整理するのに役立つように配慮されています。放射線診療研究会のホームページでは、過去の臨床核医学のすぐれた記事を参照することができ、臨床核医学誌以外の教育的なコンテンツも充実しています。
最近は核医学をとりまく状況にも変化が見られます。ここ数年でRI内用療法が急速に普及し、theranosticsの概念に基づく新しい治療法の開発も活発です。これまでFDGのみであったデリバリで供給されるPET製剤の種類も増えるきざしがあり、認知症の背景病理にせまることができる脳画像、画質と定量性に優れた心筋血流画像を日常臨床で目にする日もそう遠くないと思われます。2016年に放射線診療研究会は創設50年目を迎え、次の半世紀を歩み始めています。発展を続ける核医学診療の変化を鋭敏に映し出す鏡として、未来の核医学の方向性を照らし出すガイドライトとして、診療研究会から発信する情報が核医学に従事される方々の活動の一助になればと願っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2018年1月

放射線診療研究会会長 橋本 順

放射線診療研究会会長

橋本 順

東海大学医学部専門診療学系画像診断学

活動状況(2018年〜)
研究会の様子
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